
てんどん
株式投資初心者に解説する投資本Vol.1 ウィリアム・オニール著『オニールの成長株発掘法』概要編
更新日:2021年9月3日
こんにちは、天丼です。
本シリーズでは、株式投資を始めてするよという方向けに、パンローリングなどから出ている本を詳細に分かり易ーく要約、解説していきます。
今回は『オニールの成長株発掘法』です。
天丼が最も好きな投資の本です。
めちゃくちゃ読み直した。
日本一オニール詳しい自信ある。
本の特徴
この本はいわゆる「グロース株」について書かれている本として知られていますが、実態は「モメンタム株」に対する投資法です。
天丼も最初はグロース株投資法だと思っていましたが、友人に「これもメンタムだよね」って言われて確かになとなりました。
グロース株投資法の代名詞みたいにオニールは扱われますが、面白いですよね。
モメンタム株とは??
端的に表現するなら、勢いが付いている株のことです。
一時期のガンホーとか、MonotaRoとか、ディップとか、まあ今のアンジェスとかもそうですね……
業績無いしは材料で人気化し株価が膨れ上がるような、そう言った株をモメンタム株と言います。
オニールが対象とするモメンタム株
オニールの成長株発掘法では、こう言ったモメンタム株の中から実体的成長が伴った物を対象とします。
とりわけ、実体的成長が表面化してきたタイミングで見つけて買いに行く投資手法なので、まだその成長が表面化してない銘柄は対象となりません。
要は、業績の予想や先回りをする必要も一切なく、また材料を評価する必要も無いというのがこの投資法の特徴です。
なので曖昧な要素が少なく、かなり機械的にトレード出来る、つまり再現性があるというのがこの投資法の重要なところです。
ルール守るの大変だけどね!!!!
本書で最も重要な指標CAN-SLIMとは?
投資をする中で、オニールが規定している一つの投資指標並びにルールです。
このCAN-SLIMに当てはまる条件の銘柄をほぼ機械的に買っていくだけです。
めちゃくちゃ良いでしょ!
ではではそれぞれの指標の解説をします。
C = Current earnings
当期四半期の売上と利益の確認。
オニールの中で最も重要な指標と行っても過言ではありません。
ちゃんと成長してるのこれ????と言うのを確認する項目です。
さてさてルールを一つ一つ解説しましょう。
1 当四半期のEPSが前四半期と比較して少なくとも18〜20パーセント増加
2 当四半期の売上も前四半期と比較して25パーセント以上増加してるべき
3 過去2四半期続けて大幅に前四半期EPSが増加している物を選ぼう(強気相場なら40%over)
まず言葉の定義を曖昧にしてはいけないので詳しく見ましょう。
当四半期とは単体に切り離した当四半期です。
決算書で2Qの決算を見ると、当然ですが、1Qと2Qの数字が合計された物が決算に記載されます。
これと前2Qを比較する……だと間違いです。
なぜなら今期1Q絶好調で2Q失速してる場合もあるからです。
なので、これらを全て単体のQに切り分けます。
2Qなら1Qの決算をマイナスすれば2Q単体の数字が出ますよね。
それと同様に前四半期も単体Qの数字を出します。
Qをバラバラにしてはじめてスタートラインです。
ここからEPS(注 一株当たり利益のこと)を比較し、売上を比較します。
ここがまず手計算、Excelにしてもめちゃくちゃ大変なのとこれが出来るアプリは現在存在しないので、優位性の一つにもなります。
天丼はめんどいのでシステム化しました。
こんな感じ。これ調べて欲しかったら、僕に銘柄コードと銘柄名リプくれたら時間空いてるときにパパッとツールに打ち込んで返しますよ。

A = Annual earnings
年間収益の増加の確認。
Cでは足下の収益を確認しましたが、Aではもう少し広く見て、通年での増加を見ます。
ここは割と楽で、4Qの短信見れば良いだけなので良いです。
1 EPSの増加率が大幅に増加している物を買おう(15%→40~50%)
2 年間EPS増加率25~100%overを三年続けている
3 ROEが17%以上
4 一方で直近三年のEPS増加率が30%でも直近四半期が10~15%なら成熟した可能性がある。
ROEを重要視為る所なんかはまさに米国株投資家の思考ですよね。
成熟のリスクもここで把握します。
N = New product or service
企業として新しいかどうか?
新興企業で、魅力的な新商品を出していて、経営陣の思考も新しく優れているかどうかを確認します。
ここらへんはまさに市場調査ですね。
経営陣は経歴とか見ると良いです。
やっぱりちゃんと会社を大きく出来る人はそれなりの経歴です。
S = Supply and demand
株価の需給確認。
ここらへんはまさにチャートを見ながら考える項目で今回は飛ばします!
これもめっちゃ重要!
L = Leader or laggard?
この株市場を牽引する先導株なの? それともそれに引っ張られるただの出遅れ?
セクターでの資金移動を考える項目です。
基本的にセクターで一番景気の良い株にはそのセクターで一番お金が集まります。
その先導株がセクターへの資金流入を膨らませ、出遅れた同セクターの銘柄にも資金が流入していく。なら先導株買おうね、ということです。
1 リーダーになっているセクターの一番手銘柄か二番手銘柄だけを買う事。
2 レラティブ・ストレンクス(相対的な株価の強さ)を用いて数値の高い(80%以上
)銘柄だけを買う事(注 計算方法は記載なし)
3特定分野で首位を狙うものを買う。(人材系なら当時のディップなど)
レラティブ・ストレンクスという指標に関しては定義がありません。
オニールが出している情報誌読んでねみたいなことが書いてあります。
まあそういうビジネスなのでしょうが無い。
I = Institutional sponsorship
機関投資家に好まれているかどうか?
実はこれはオニールの投資の肝です。詳しくは後述するのでルールを確認しましょう。
1 機関投資家による買いが増加している。
2 経営陣が自社株を保有
経営陣が自社株を持っているはめちゃくちゃ重要ですよね。
彼らが持ち続けているという事は、自社の成長を信じているという事なので。
M = Market
地合はどうなん?
これ本書に正確な測り方がないので、別記事で記載します。
天丼はシステム化しました。
はっつけときます。

こんな感じです。
スプレッドシートのリンクも張っておくのでデータとしてご参照ください。
ちょうど一年分くらいのデータを上げておきます。
天丼は二~三年見てますが優位性めっちゃあると思う。
オニールの投資手法の本質
オニールの投資手法はまず表面化しているデータを元に、行うためほぼ客観的な評価を元に機械的に行えます。
そのため、再現性がありまた逆に再現が大変なため優位性も有ります。
ここが基本的な解説だと思うのですが、ではこの優位性とは何から来る物なのでしょうか? という疑問が残ります。
要は自身より後に来る買い手としてオニールは何を想定しているかです。
答えはズバリ機関投資家です。
機関投資家は株を買うのにルールを守る必要があり、そのルールのためどうしても我々個人よりはゆっくり買っていきます。
彼らはまた、基本的には表れた決算データを元に詳細な分析を重ね購入していきます。
オニールの投資手法の本質は機関投資家が買いそうな株を機械的にスクリーニングし、個人のスピード感を生かし先回りして買っていこうとする手法です。
また機関投資家が買えば相場が盛り上がりさらなる個人資金の流入も見込めますしね。
めちゃくちゃ合理的だし、優位性もありそうにおもえますよね。
僕はめっちゃ好きです。
ぜひ本書を読んでね!!!!