
てんどん
投資をやる上で本当に必要な知識Vol.2 不動産仲介業者が何考えているか編
更新日:2021年9月3日
こんにちは天丼です。
天丼って株クラでもあったんですが新卒からめちゃくちゃ不動産会社に勤めていろいろやってました。
経歴としては
一年目 上場してる不動産の買取会社に入って営業頑張ったよ!
二年目 新卒で入った会社辞めて、お金出して貰いつつ不動産事業を展開したよ
三年目 事業を頑張ったよ
四年目 独立したよ! 不動産買うの大好き!
だと思います。いま社会人ほんとに四年目だっけ……。
まあなので不動産業界のいろんな人に触れてきました。
広ーい業界なので全てを知ってるつもりはありませんが、一貫してバイヤーのポジションに居たので、不動産仲介業者とのやりとりはたくさんありました。
不動産投資している皆さんも、始めようかな!って考えてる皆さんも、基本的にはこの不動産仲介業者とのやりとりをすることになります?
不動産仲介業者ってなに??

なんか町場で「~~不動産」とか看板掲げてる不動産屋さんありますよね。あれがいわゆる不動産仲介業者さんです。
でも中にはタイプとして賃貸専門の仲介だけやってる業者さんも居ます。
そういう方は、大家さんの持ってる物件を管理したり、物件を借りてくれるお客さんをつけたりを業務の基本としてます。
借りてくれるお客さんを探すだけのいわゆる客付け専門の仲介という仕事もあるのですが、ここら辺は別の記事にしておきます。
で、不動産をあなたが買おうと思った時、あなたが最初に行くのは不動産売買仲介業者さんです。
売る方もきっとそうでしょう。
三井のリハウスとか住友不動産販売とかがいわゆる不動産売買仲介業者さんですね。
彼らはいわゆる売り手と買い手をマッチングさせることで利益を得ます。
大体不動産価格の3%+6万円くらいですね。これが売主からも買主からも出ます。
不動産仲介業者さんが1社で売り手と買い手をマッチングさせているか?というとそういうわけでもなく、売り手側に仲介業者さんがついて、ネットワークを用いて買い手を探してくれ!と情報を流し、それで買い手側の仲介が買主を探してきたりもします。
こういう取引を分かれといい、売主側の仲介は売主さんから3%+6万円、買主側の仲介は買主さんから3%+6万円貰います。
まあ二社でこの案件を仕上げたので、綺麗に半分こって感じですね。
これを時たま四社でやったり五社でやったりします。
そうなると手数料はみじん切りにされます。
あと買主や売主が値切ったりすることもあります。そうすると時たま手数料総額2%みたいな所に五社とか不動産魑魅魍魎が渦巻いたりするので決済会場が不動産お化け屋敷みたいになります。
まあ、こんな感じが不動産仲介業者さんの本質的な動きで、あとは契約書作ったり重説作ったりします。
ここら辺を適当にやっていると仲介業者が仲介責任問われて大変なことになったりします。
なんだかんだで大変な仕事だなあと思います。
天丼はバイヤーなので、ぼんやりしてます。
重説? なにそれ美味しいの?
仲介業者さんってじゃあどんな人に良い案件くれるの?
仲介業者さんが良い物件(例えば短期転売いける奴)を長年の人間関係の中で案件化したとします。
そうした時彼らはこの良い案件を誰に買わせるでしょうか?
十中八九我々みたいな業者です。
なぜか、後述していきます。
短期転売案件とは4500万で売れる物件を3000万で買いに行くような物です。
我々買取業者はらは何十人もの営業マンを雇い(注 天丼の会社には僕しかいないけどね!)、毎日のようにネットワークを拡大しています。
そもそもそのネットワーク能力に一個人は勝てる訳がないのです。また仲介業者さんの目の前に短期転売案件が現れた時それが業者のところへ行くのは他にも理由があります。
買取業者に良い案件流すと……
a 儲かることが目に見えている案件だから手数料が欲しい。
→業者であれば確実に3%+6万円(注 業法規定の手数料)は払います。収支によっては+αのせます(6%出します!!!とか僕は絶叫します)。
b面倒なのが嫌だ。
→業者であれば喜んで契約書を作ります。何なら自分に交付される重説すらも作成します。
c後からゴチャゴチャ言われるのが嫌だ。
→業者であれば宅建業法上瑕疵担保責任を免責できます(ボロ物件で欠陥があっても文句言わない)。それに法人として取り組んでいる以上、変な言いがかりをしたりしません。
d出口も仲介やりたい。
→業者は短期転売を為るので、出口で専任返しをできます(売却為るときにも仲介を依頼)よって仲介業者はとても儲かります。
e次の案件も買ってくれそう。もしくは社内の案件をくれそう
→業者は事業継続性がとてもあるので、次の取引に発展するかもしれません。また、別件の売買をくれる可能性があります。
以上が仲介業者が売却先を決めるときに買主を業者に為る理由です。これを元に三千万の物件を仲介為るとしたらいくら手に入るか考えて見ましょう。
買取業者に案件流すとこれだけ儲かる!個人と比較してみたよ!
a業者へ売却
→売主から3%と6万円+業者から6%と6万円受領します。(282万)
→4500万で転売業者が転売する時に専任(注 これを為ると物件が売れた時に不動産仲介業者さんに必ず手数料が入る)で仲介。買主も自分で見つけてきたとすると、3%+6万円を両者から受け取れます。(252万)
合計 534万です。
b個人へ売却
→売主と個人から3%+6万を受領
以上
合計 192万です。
勿論、業者に売ったからといってここまで手数料がもらえるとは限りません。
ただ、最高で業者はそれくらいもらえる且つ約束を守ってくれる可能性がとても高いという認識があるので、金銭的にもここまでの差を感じ彼らは仲介しています。
もし無防備に物件を買いたいと言ったとしても、回ってくるのは業者の転売の4500万でこれが来ます。つまり出口にされてしまうんです。
まとめ 短期物件の売却先に業者を選ぶメリット
a 手数料を気前よく出してくれる↔個人は手数料をくれない、約束を守らない、そういう話が出来ない。
b契約書まで作ってくれる↔個人は何から何まで教えなくてはいけないから面倒。
c決済したらそれで終われる↔個人だと瑕疵担保責任を実行されるかもしれない。そしたら売主が損するかも。買った後に損したと言われるかもしれ無い。
d出口も仲介しますよと言ってくれる↔個人は手数料を相談したらどこに言われるかわからない。相談しづらい。そもそもケチりそう。
e次の案件につながるかも↔個人の資金力だと一回やって終わりでしょどうせ。
以上が短期転売案件を業者に選ぶメリットです。
これらの理由から短期転売案件は個人に行くはずがないということをご理解いただけたでしょうか。
相場より安い案件はとても手に入りづらいです。
じゃあ、天丼は買えてんの??????
……いや、まあ1人でやってるから難しいんだよね。。。
ちっちゃい不動産屋さんですし。。。
ただ代わりにエッジが効いた不動産の買取をしているので、競合が殆どおらず買えてます!
変なのばっかだけど!!!!
重要なのは、上記の思考を理解しつつ、個人投資家の人は業者が余りいない長期投資での不動産をやる方が圧倒的に良いです。
業者は継続的にフローの利益を重ねていって、借入金を急速に拡大させていき、事業の拡大を目指します。
そのため、基本的には長期不動産は向いていません。
初期の投資で減価償却で利益が沈むほか、純資産に対してレバレッジを効かせるビジネスのため、純資産がゆっくりと増加為ていく長期投資は合わないのです。
合ったとしても、ユニゾやリート程度なもので、個人が主戦場を張れる数千万~1,2億程度の不動産には出張ってきません(注 たまに居るんだけどね!)
業者の基本はそうした案件を組成し、個人に転売するという所に終始しています。故に、長期は個人が戦えます。
なので次回は長期用不動産の査定方法と仲介業者さんの思考を書いてみようかなと思います。