- てんどん
本当にあった株の怖い話Vol.1 ウェッジHD+昭和HD すぽ氏インタビュー+まとめ編
こんにちは天丼です。
前回の概要とDAIBOUCHOU氏インタビューからの続きです。
多くの投資家がダメージを喰らったウェッジHDと昭和HD。
後編ではさらなる取材と今後の成功に生かすためのまとめです。
実録インタビューNO.2 すぽ氏
プロフィール
すぽ(@spo_toushi)(ブログ)

すぽさん投資ぶろぐでも有名な個人投資家。
ブログでは銘柄の基本情報をまとめつつ、読者との議論により理解を深めていき投資を進めていくスタイル。
約6年で資産は十倍超のパフォーマンスを達成し、2018年には専業投資家に。
19年には『10万が100万になる株の本当の探し方』(ぱる出版)を出版。
今も投資が持つ楽しさを味わう日々を過ごしている。
ウェッジHDを買ったワケ
天「すぽさんはウエッジHDを買われてましたよね。どのような理由で買われたか教えていただいてよろしいでしょうか?」
僕のブログでウェッジが2017年に議論になりまして(参照)、コメント数もすごかったんですよ。
ほぼ熱いコメントで100以上埋め尽くされました。
そこでは経営者のあやしさだとか、ビジネスモデルだとかを議論したんですよね。
そして結論としては「清廉潔白な経営とまでは言えないが、ビジネスモデル的に軽くて早い」なので買ってみようと行った感じです。
天「ポジションは結構大きかったですか?」
結構大きかったです。PFの2割近くはウェッジにしてましたね。
なんというか開示している数字を元に考えると、いろんなビジネスが上手く結びついているような、そんな感じに見えたんですよね。
天「どれくらいの期間持ち続けましたか?」
10月くらいまで持ち続けました。
タイの経済誌の報道出た後にナンピンもした記憶があります。
天「最初怪しいとおっしゃってましたが、どういう気持ちで買われたんでしょうか」
説明会動画を見ると経営者にどこか魅力的なパワーがある。
言葉も上手いですしね。
何というかこの怪しいパワーが経営に向いているのであれば、すごいことになるかもとも思いました。
天「グループリースの株における含み益などは買うときの材料にはしましたか?(DAIBOUCHOU氏インタビューご参照ください)」
いや、それは全くしてないですね。
あれはそもそもおかしいと思うんです。親会社と子会社の関係において売却なんて出来ないワケですし。
かぶせん(@kabu1000)さんがソフトバンクグループに対して「アリババの時価総額考えると割安!」と言いますが、ウェッジHDと同じ意味合いでそれは間違ってるなあと。
子会社のお金ふんだくったり、急に株式を売れるわけでもないので、安くなるのはあたりまえなんですよね。
そこの換金不可能性や株主の権利からの遠さを無視してゼロ距離で考えるのはおかしな話ですよ。
天「なるほどですね」
怪しくても買ってしまった理由と次の投資を考える。
天「経営者が怪しいとのお話ありましたが検証はどの程度されたのでしょうか」
ブログのコメントを通し、過去に遡ってかなり考えました。
昭和HDの買収の経緯などや金融庁の指摘なども確認しましたね(前編の概要をご参照ください)
天「それでも購入するに足ると思った理由はどこでしたでしょうか」
やはりまずはビジネスモデルですね。
また周囲の投資家が現地視察をして、やってるビジネスそのもの自体は本当ぽいなという判断はありました。
そしてそのビジネスが儲かるビジネスとして成立しているのであれば、不正をする理由はないのかもなと考えたのがありましたね。
また、一方で天丼さんが指摘するようなリスク感より僕のリスク感は甘かったですね。
真面目に運営しているというのがどこか前提にありましたし、こう言った経営者の株を触ったこともなかったので、ビジネスモデルを強く見過ぎて経営者リスクを薄く見過ぎたという形ですね。
天「我々個人投資家は会社の外側にいて、会社が出してくる情報をある程度「真」と捉えて投資行動を決めるのが基本的な動きなので、不誠実であるなどの想定は中々難しいですよね」
株主と経営者は利益相反とも言われますしね。
天「ちなみになんですが、いわゆる経営者リスクが顕在化したタイミング(タイの経済誌がGLの粉飾疑惑を報道)が2017年3月にあり、そこから損切りの10月までに買い増しを一回してるとのお話でしたが、ここのリスクが顕在化したのに買い増しした理由はどうしてでしょうか」
4月に買い増ししてますね。
何で買ったか言うと、ビジネスモデルの根幹には揺るがないと考えたからでしたね。
PER15で割安になった! という気持ちで買い増ししたのだと思います。
天「代表が主張する2%の不良債権比率に関してはどのようにお考えでしたでしょうか(前編を参照)」
正直そこは鵜呑みにしてしまいました。
現地が見えないというの大きかったですね。
リアルで何やっているか見えないし、だからこそ我々投資家はリスクを高く見る必要があると思いました。
天「今回の投資の失敗を通して、すぽさんはどのような新たな考えをお持ちになったでしょうか」
個人投資家は会社の開示する情報を元に投資を為ることが基本であるのに、嘘をつくこともある。(注 本件は現時点におきましても疑惑であり、ウエッジHDや昭和HDを指しているわけではなく一般的な事象としてお話しています)
それなのに、いざ嘘でしたという事が明らかになっても投資家保護はほぼされない。
これってナニコレ?って感じですよね。
バフェット氏は経営者に対して優秀さより誠実さを求めるところがありますが、こういう経験をするとよくわかりますね。
ビジネスモデルにエッジがあるのは当然として、我々株主を裏切らない誠実な経営をする会社を僕は今でも探し続けますね。
まああとRIZAPグループやソフトバンクグループみたいな数字をいじるブレーンみたいなのが居る会社は触りたくないなあと。
会社の外側にいる我々はその技を見破るのは中々難しいですしね。
悲しき投資家妖精
天「だれとは言わないですが妖精って投資家についてはどう思いますか」
あー彼はね……。
天「ダメですよね」
うん……。何かお金がどれだけ増えたか勝負に引き込もうとするよね。
特に苦手なところはパフォーマンスが上の方が強いみたいなマウントを仕掛けてくるところだね。
天「あるある!」
そう言ったゲームをしたいのはわかったけど、僕は株で想像していた企業の未来が実現したりとかそういう所に楽しみを感じてるんだよね。
それを聞く耳持たないよね彼は。
でお前のやり方はパフォーマンスが悪いってディスって回るわけじゃないですか。
天「ほんとダメだね!!!」
何度もこの話してるんだけどわかってくれないんだよねえ
天「イキってますしね!!!」
そうだね。パフォーマンスゲームしているわけじゃないしね。
なんでそれでマウントとろうとするのかなあ。
天「悲しき投資家」
取材のまとめ
本件取材を通じて、どんなベテラン投資家でも見抜けないことがあることがわかりました。
いわゆる経営者リスクです。
我々個人投資家はビジネスモデルやそれが上げる数値を元に投資判断を決定するのですが、それも結局は会社が出している数字です。
本件は当然まだ係争中なので、一般的な話ですが、その数字をいじり我々を騙してくる会社というのは過去に存在しました。
粉飾などを行う経営者かどうか考えるためにも天丼は以下の方法をおすすめします。
会社の過去の開示を読み怪しい事件がないか確認為る。
海外の不透明な事業がメインないしは寄与度が高くないか確認する。
アクセスジャーナルで調べる(最終手段)月額880円です。
天丼に聞く。(わかる範囲で教えます)。
イキらない。
本件記事が皆様の参考になれば幸いです。